育休からの復職は、仕事と育児の新しいバランスを築く大きな転換点です。このタイミングで起こりやすいのが、会社との認識のズレによるトラブルです。勤務時間、業務量、評価の基準など、事前にすり合わせができていないと、復職後に「こんなはずではなかった」と感じやすくなります。
こうしたトラブルの多くは、能力や意欲の問題ではなく、コミュニケーション不足や伝え方の問題から生じます。復職をスムーズに進めるためには、感情的にならず、現実的かつ建設的な対話を重ねることが重要です。
1. なぜ復職時にトラブルが起こりやすいのか
復職時のトラブルは、会社側と本人の前提条件が異なっていることから生まれます。会社は「早く戦力として戻ってほしい」と考え、本人は「まずは家庭と両立しながら慣れたい」と考えることが多く、このズレが摩擦につながります。
また、育休中に組織体制や業務内容が変化している場合、情報不足によって誤解が生じやすくなります。だからこそ、復職前後のコミュニケーションは特に丁寧に行う必要があります。
2. 育休中から意識したいコミュニケーションの基本
復職後のトラブルを防ぐためのコミュニケーションは、復職直前から始めるのでは遅い場合があります。育休中から、無理のない範囲で関係性を保つことがポイントです。
2-1. 情報共有は「要点を簡潔に」
育休中に会社と連絡を取る際は、頻度よりも内容が重要です。長文で詳細を伝えるよりも、要点を簡潔にまとめることで、相手に負担をかけずに意思疎通ができます。
- 復職時期の目安
- 勤務形態の希望
- 体調や育児状況の変化
これらを整理して伝えることで、会社側も調整しやすくなります。
2-2. 要望ではなく「相談」として伝える
復職条件を伝える際は、「こうしてください」という要望ではなく、「こうしたいと考えていますが、可能でしょうか」という相談の形を取ることが重要です。この姿勢が、対立ではなく協力関係を築く土台になります。
3. 復職前面談で押さえるべきポイント
多くの職場では、復職前に上司や人事との面談が行われます。この場は、トラブル回避のための最重要ポイントと言えます。
3-1. 勤務条件は具体的に確認する
「時短勤務」「在宅勤務」といった言葉だけで安心せず、具体的な運用を確認することが大切です。
- 勤務時間の開始・終了時刻
- 残業や突発対応の扱い
- 評価や目標設定の考え方
曖昧な部分を残さないことが、後々の不満や誤解を防ぎます。
3-2. できること・難しいことを明確にする
復職直後に無理をしてしまうと、継続が難しくなります。自分が「できること」と「現時点では難しいこと」を正直に伝えることは、長期的に見て会社のためにもなります。
最初から完璧を目指さない姿勢を共有しておくことが、現実的な業務設計につながります。
4. 復職後のコミュニケーションで意識したいこと
復職後も、状況は日々変化します。一度話し合った内容に固執せず、柔軟に対話を続けることが大切です。
4-1. 問題が小さいうちに共有する
困りごとや違和感を我慢し続けると、ある日突然大きな不満として噴き出してしまいます。小さな問題の段階で共有することで、修正がしやすくなります。
4-2. 感情と事実を切り分けて伝える
伝える際は、「つらい」「大変」という感情だけでなく、具体的な事実や状況を添えることが重要です。事実ベースで話すことで、相手も理解しやすくなります。
5. 会社との関係は長期的に考える
復職直後は、どうしても短期的な負担に目が向きがちですが、会社との関係は今後も続いていくものです。一時的な遠慮や我慢ではなく、長く働き続けるためのコミュニケーションを意識することが重要です。
自分の状況を正しく伝え、相手の立場も理解しようとする姿勢が、信頼関係の構築につながります。
6. まとめ
復職後のトラブルを防ぐためには、育休中から復職後にかけて、会社とのコミュニケーションを計画的に行うことが欠かせません。要望を一方的に伝えるのではなく、相談として共有し、具体的な条件をすり合わせることで、無用な誤解や摩擦を減らすことができます。
復職はゴールではなく、新しい働き方のスタートです。会社との対話を重ねながら、自分にとっても職場にとっても無理のない形を築いていきましょう。
